デジタル機器の発達による消費者の購買行動の変化や人々の生活様式や価値観が多様化した現代における流通の変化と小売業の今後の経営課題について学びました。昨年､総務省の人口推計によりますと 65 歳以上の高齢者人口は前年比 32 万人増の 3,588 万人で過去最多を更新し､総人口の 28.4%となり 65 歳以上の人口の割合が全人口の 21％を占めると超高齢化社会を指します｡65 歳以上の割合は世界 201 の国･地域の内､最も高い 2 位のイタリア(23.0%)を超え､日本が 1 位となってしまいました｡今後も世界的に高齢化は進み､高齢者も経済環境､家族

構成､健康状態､価値観等､様々な為､多様化された流通のあるべき方向と対策を戦略的に考えなければなりません。そのためには、先ずは流通の役割とは何か？流通の仕事は､「消費者･顧客への価値提供」にあり､新しい価値観を創造し顧客へ届け普及させる事が流通の仕事の役割であります｡

又､流通の働きとして需要と供給をマッチングさせ既存の業者が手掛けていない新しい価値観を創造し流通の担い手として誰がどんな価値を､どの様に提供するかを捉える事が出来れば､経済をリードし､既存の企業に対しても磨きをかけ経済成長に繋がります。

顧客のニーズに答える為の重要な経営の視点と姿勢は何か？

ある企業が成功し､他の企業は何故､失敗したのか？

事実を明らかにし因果関係を正しく捉え､成功の原因と失敗の原因を冷静に深掘りして分析し､事実を見抜く目と問題発見力と解決力が重要です｡

今ある物やサービス､価値観について現状のままで良いのか？他に何か無いのか？常に「現状を疑う目を養う事」が必要となり､個人や特定企業にとって良いとされる事は､社会全体に良いという事が常に一致するとは限らない事があります。

社会における「不」､困っている事･人･物の因果関係を捉え問題点を発見する事が出来れば､顧客満足の創造に繋がります｡

アマゾン創業者ジェフ・ベゾスは､顧客視点から値引き･無料配達･物流網の構築･業務改善･研究開発への投資等､新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し「物を売ってお金を得ているのではなく､顧客が購買決定するのを手助けしてお金を得ている」という経営姿勢を明らかにし､社会的に大きな変化をもたらしております。

常にビジネスの本質とは何か突き詰めて考える事が重要です｡

道具や手段の発明は何故､必要か？一歩､顧客の中に踏み込み､顧客は何をしたいのかを良く考えなければ､顧客の求めている事を見失い､将来の先の事も見通せなくなってしまい､目的と手段を混同し､今の製品サービスばかりに目がいってしまい､他のニーズを満たす事が出来なくなり､マーケティング近視眼に陥ります｡

実は､顧客のニーズに応える企業間競争において､消費者の選択が企業に競争を仕掛けております。

特に今日では､異業態間競争が活発に発生しており､食品をみるとドラッグストアやホームセンター､家電量販店等､売方の違うお店が食品という共通の商品を巡りライバル関係が起きて

おります｡

顧客ニーズをすり合わせ常に事前策を検討しなければならなくなっております｡

他の分野からライバルが出現する現在､「物から事へ､所有からシェアーへ､売切から継続へ」と顧客と継続的な商品の購入に繋げる策定や継続的な関係を維持する事を目的にサービスを提供し､売切型でない顧客が継続して映像･音楽･書籍等を楽しめるデジタル環境が構築されたビジネス展開がなされております｡

今後､超高齢化社会では､ネット販売であるデジタルと有店舗としてのアナログを融合し顧客に寄り添った「ふれあいある流通」が重要視され顧客の心に響く価値提供がビジネスの成長基盤となり安否確認や送迎等､顧客の不の部分を克服する事が求められ自分だけでは生きていけない利他の精神が自身を生かす信頼と協調性がビジネスを制する時代となる事を強く感じております。

2021.05