社会的価値を社会に提示するには?

自立した持続可能なビジネス展開を構築する為に現状を把握する事、及び地域ブランド戦略を策定する事の重要性、並びに実践する事により実践の過程において、次々と課題が明確になり、その課題を戦略に反映させる事の大切さについて、マーケティングの概念やプロセス等、現代の多様な新しい解決策や社会的価値、新しい社会的事業について考えました。

地域ブランドを形成する為には、その地域固有の資源を洗い出し、地域の特性や風土、歴史、文化を見つめ直し地域資源に関わる人たちの想いと現状を把握する事が大切です。

地域ブランドとは、質の高さを証明し、消費者から認知され、評価されたものであり、その地域の自然的条件や文化が反映され、地域ブランドが形成されます。

中国産活蛤に付加価値を付けるために、顧客の利便性を検討し、レトルトパウチの製造を仙台の加工場へ依頼し、西京味噌漬蛤や蛤の雑炊を数種類、作成しましたが失敗しました。

原因は、加圧と加熱殺菌の工程で、蛤の身は小さくなり、味が濃くなり、製品化まで至りませんでした。

そもそも、中国産活蛤の漁場や中国での生簀の管理方法等を認識していない中、単に「中国より輸入された活蛤は日本の生簀で寝かせ、出荷されてますから安心・安全です。」という説明だけでは、顧客に対し価値を提供する事は出来なかったと思いました。

日本で 2008 年1月に発覚した中国製冷凍ギョーザ毒入事件により、中国製の食品の安全が問われるきっかけとなりました。

フードチェーンの情報データより、消費者の 82.3%が通常購入時、安全性の認証や認証機関名、残留農薬、有害物質等の情報を求めているという意識調査のデータが示しております。

中国産活蛤を輸入する背景には、国産蛤の漁獲量が激減した事にあります。

三重県桑名市の赤須賀地域において、高度経済成長期における埋め立てや水質汚染、地盤沈下による生息環境の悪化により昭和 40 年代、年間 3 千 t あった蛤漁獲量は、平成 7 年には、1t 迄、激減しましたが、資源管理や稚貝放流、干潟造成等により、近年では 200t 迄、回復しております。

持続可能な蛤漁業の為に、地元住民との繋がりを大切にする事を意識して、赤須賀漁業では、水産物のイベントを開催したり、学校給食へヤマトシジミを提供し、食育活動をしたり、地元料理を提供する企業に干潟の観察会や蛤稚貝放流の参加や漁業体験会等を実施して、地域の漁業を支える理解者や応援団を増やし、三重ブランドに認定された桑名蛤を活用し、蛤の付加価値向上と創造に取り組んでいる赤須賀漁業の取り組みに改めて意義ある活動をしていると感じました。

複数の多種多様な自立した意識を持った事業者が連携して、各々の特性を活かすことが出来れば、中国産活蛤の販売促進についても、様々なアイデアが生まれ、新しい事業が確立される事でしょう。

新しい社会的商品やサービスを開発し、新しい仕組みを導入し、社会的価値を社会に提示するには、自社の会社だけが良いとこ取りの考えで実践しては、良い方向には進まないでしょう。

様々な企業や組織、研究機関等が協力的かつ競争的な関係を構築し、多様な社会的課題への新しい解決方法や新しい社会的価値が生まれ、新しい社会的事業が形成される様な集積状態が必

要で、多様な人材が出入りする事が出来、地理的な制約を超えて広がる事が重要だと感じております。


桑名の蛤 ㈱カクキ水産 明治以前創業 蛤卸問屋

桑名の蛤や中国産蛤の情報を発信いたします。

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